資産運用に役立つ本

相場の本質を理解したいならこれ!! 複雑系と相場

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複雑系と相場

株式市場の分析は長くテクニカル派、ファンダメンタルズ派、ランダムウォーク派で争われてきた
そこに新たなコヒーレント市場仮説を提げてサンタフェ研究所の複雑系学派が登場した
非線形社会的模倣理論が示す株式市場の4つの状態とは何か
ローリスク・ハイリターンな市場は存在する!?
この本から学ぶ、資産運用に役立つ必殺フレーズとは……

本の概要:
本書は、複雑系に関する最近の研究成果を株式市場に応用することを試みた意欲的な研究書であると同時に、アメリカにおける第一級の投資家たちの投資方法を複雑系と関連づけながら紹介している
『本書訳者序文』より

著者:
トニス ヴァーガ
1990年にFinancial Analysis Jounalに発表した「コヒーレント市場仮説」がInvestment誌により同年のイノベーション・オブ・ジ・イヤーに選ばれる。原著出版当時は、ブーズアレン&ハミルトン・アドバンスト・テクノロジー・グループのシニアー・アソシエイト
『本書原作者紹介』より

この本から学ぶ、資産運用に役立つ必殺フレーズ

“秘密の方法はまったく利用していない” p.2

解説

“秘密の方法はまったく利用していない”

ピーター・リンチとウォーレン・バフェット、二人の伝説的な投資家は、いずれも短期的な市場予測に関心を持っていない。
彼らは秘密の方法など全く利用していないと言い、長期的なメガトレンドにのり、短期的な熱狂相場には近づかない。
消極的なインデックス投資がアクティブ投資を打ち負かすランダムウォーク仮説が優勢な中、彼ら二人はなぜ驚異的なパフォーマンスをあげることができるのか。
複雑系の理論を基に筆者は4つの相場形態が存在するという。

  1. ランダムウォーク:(効率的市場)中立的なファンダメンタルズ
  2. 不安定な遷移相場:(非効率的市場)中立的なファンダメンタルズ
  3. コヒーレント市場:強気のファンダメンタルズの下での群衆行動
  4. カオス的市場:若干弱気なファンダメンタルズの下での群衆行動

コヒーレント市場ではローリスク・ハイリターンにカオス的市場ではハイリスク・ローリターンになる。
株式市場が今どのような状態にあるのか、コヒーレントなメガトレンドの時に投資しなければならない。

総合評価

難易度

上級(証券アナリストレベル)

資産運用の役立ち度(星1~5)

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

内容は難しいが、数式等を除けば読み物としても十分楽しめる
ランダムウォーク信者を嘲笑うかのような痛快な語り口はアクティブ投資家にはカタルシスが得られよう

 

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